夏は涼しく、冬は暖かい。
そんな性能の高いマイホームをつくるためには、断熱性能の高い「窓」が必要不可欠です。
今回は住まいづくり初心者の方がつまずきやすい「窓の性能」について解説します。
- 断熱性能を上げる3つのポイント
- おすすめの窓のスペック
- 窓メーカーの性能ランキング
- モデルハウスで営業マンに確認すべき項目
上記のような内容も、この記事を読めば全て分かるようになっています。
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「窓」は1番熱が逃げやすいところ
実は、注文住宅のなかで1番熱が出入りしやすいのは「窓」です。
外壁や屋根のほうが面積は大きいですが、熱の出入りはほとんどが「窓」からになります。
出典:YKKap
実際にどれくらい熱の影響を受けるかというと、
- 夏:74%
- 冬:52%
もの割合で、窓から熱の流出入があります。
当然、窓の性能が低いほど、エアコン効率も悪くなり、光熱費は高くなります。
「窓」はオプション効果大です
逆に言うと、窓はオプション効果がきわめて高いパーツでもあります。
1番熱が逃げやすいところを重点的に強化してあげれば、他の部分はそのままでも、一気に快適な家になるということです。
カビ・ダニ・シロアリ対策にも◎
注文住宅の窓において、特に問題となるのが「結露」ですよね。
結露はカビやダニの温床となり、結露した水がそのまま壁の中に入ると、シロアリを招く原因にもなります。
冷たい飲み物をガラスコップに入れると結露しちゃうけど、水筒に入れたら結露しない。
これと全く同じで、熱を伝えにくい窓にすれば、カビダニやシロアリなどの心配もなくなりますよ。
窓の断熱性能を左右する3つのポイント
出典:wellnesthome
さて、窓の性能というのは3つのポイントで決まります。
- サッシ(枠の部分)
- ガラスの枚数
- ガラスの間(空気の層)
上から順に、断熱性能に与える影響が大きくなります。
【1】サッシ(枠の部分)
サッシは熱を伝えやすく、結露しやすい部分。どんなサッシを使っているのかはかなり重要です。
一般的なサッシの種類は以下の4つになります。
種類 | 特徴 |
アルミ | 採用しているメーカーは少ない |
樹脂 | 性能〇、メンテナンス〇 |
アルミ樹脂複合 | ハウスメーカーの標準仕様 |
木製 | 性能〇、塗りなおし必要 |
アルミサッシは小中学校の窓についている“軽くて安いヤツ”です。採用しているハウスメーカーは少ないので、割愛します。
また、木製サッシは性能こそ高いものの、塗りなおしが必要になるため、標準採用しているのはスウェーデンハウスくらいです。。
主流は「アルミ樹脂複合サッシ」
出典:YKKap
現在、多くのハウスメーカーの標準仕様になっているのが「アルミ樹脂複合サッシ」です。
アルミ樹脂複合というのは、
- 外側:アルミサッシ
- 内側:樹脂サッシ
という構成です。
性能とコストのバランスが良く、注文住宅を建てる人の多くが採用しています。
おすすめは「樹脂サッシ」
出典:g-mark
より快適な住まいにしたい人には「樹脂サッシ」をおすすめします。
例えば、アルミ窓の熱流出入割合は【夏52%】ですが、樹脂サッシなら【19%】まで下がります。
オプションになりますが、初期費用のわりに断熱性能がグンと上がり、月々の光熱費も安くなります。
※「リビングの窓だけ、樹脂サッシにする」でもOK!!
【2】ガラスの枚数
出典:LIXIL
窓ガラスの枚数は1~5枚まであり、枚数が多いほど断熱性能も高くなります。
多くのハウスメーカーでは
- ペアガラス(2枚)
- トリプルガラス(3枚)
が標準仕様になっています。
さすがに5枚ガラスはオーバースペックになる地域も多いので、2枚→3枚へのグレードアップがコスト的にもおすすめです。
【3】ガラスの間(空気の層)
出典:YKKap
最後は、ガラスとガラスのすき間に何が入っているかです。
実は、空気の層の種類によっても断熱効果は変わります。
種類 | 断熱性能 |
ドライエアー | 最も低い |
アルゴンガス | ドライエアーの1.5倍 |
クリプトンガス | アルゴンガスの1.8倍 |
真空 | 最も高い |
ハウスメーカーの多くは「アルゴンガス」が標準仕様です。
最も性能が高いのは「真空」ですが、かなり高額になります…。
コスト的にもおすすめなのは、アルゴンガス→クリプトンガスへのグレードアップです。
最強&コスパが良い、窓のスペックはコレだ!
ここまでの内容も踏まえると、断熱性能が最も高い窓のスペックは以下のようになります。
種類 | 項目 |
サッシ | 樹脂 |
ガラス枚数 | 5枚 |
ガラスの間 | 真空 |
このレベルになると、フィンランドやスウェーデンなどの北欧の真冬でも耐えられるレベルの窓になります。
ただ、コストがあまりにも高く、日本の気候ではオーバースペックとも言えます。
というわけで、快適な注文住宅をつくりたい人におすすめの窓スペックがこちら!!
種類 | 標準仕様 | おすすめ |
サッシ | アルミ樹脂複合 | 樹脂 |
枚数 | 2枚 | 3枚 |
ガス | アルゴンガス | アルゴンガス |
性能とコストを考えると、標準仕様から樹脂サッシ&トリプルガラスにグレードアップするのが1番おすすめ。
リビングや洗面脱衣室だけでもアップしておくと、かなり快適に暮らせるはずです。
もちろん初期費用はアップしますが、そのぶん光熱費は安くなります!!
窓メーカーの性能ランキング
すでにご存知かと思いますが、注文住宅の窓はすべて窓メーカーの既製品です。
ハウスメーカーが独自に窓を開発しているわけではなく、LIXILやYKKapと提携していて採用しています。
※一条工務店はオリジナルの窓。
つまるところ、実際にLIXILなどのショールームで実物を確認できるということです。
メーカー 商品名 |
熱貫流率 | 枚数 | 空層 |
LIXIL レガリス |
0.55 | 5枚 | クリプトン |
NSG スーパースペーシア |
0.65 | 2枚 | 真空 |
エクセルシャノン シャノウウィンドウUF |
0.73 | 3枚 | クリプトン |
YKKap APW 430+ |
0.78 | 3枚 | クリプトン |
LIXIL エルスターX |
0.79 | 3枚 | クリプトン |
一条工務店 ※オリジナル標準 |
0.80 | 3枚 | クリプトン |
YKKap APW 430+ |
0.84 | 3枚 | アルゴン |
三協 トリプルスマージュ |
0.85 | 3枚 | クリプトン |
LIXIL エルスターX |
0.91 | 3枚 | アルゴン |
※熱貫流率が低いほど、断熱性能は高くなります
※すべて樹脂サッシです
国内の高性能な窓ランキングは上記の通りです。
大前提として、いずれも樹脂サッシということからも、いかにサッシが断熱性能に大きな影響を与えるかが分かりますね。
出典:LIXIL
数ある「窓」のなかでも、最も断熱性能が高いのがLIXILのレガリスです。
お値段も尋常じゃないレベルですが、5枚ガラス×クリプトンガスにすればこれだけ断熱性能が上がるという目安にはなります。
ちなみに、LIXILやYKKapは窓や建具で必ずといっていいほどお世話になるメーカーです。
注まいづくりの合間を縫って、1度ショールームで実物を見てみるのも良いと思いますよ!
モデルハウスで営業マンに確認すべき項目
最後に、モデルハウスで営業マンに確認しておきたいポイントをまとめておきます。
- サッシの素材
- ガラスの枚数
- ガラスの間に何が入っているか
- 各種オプション料金
まずは窓の標準仕様について、ひと通り確認しておくこと。
また、樹脂サッシやトリプルガラスにする際、どれくらい追加費用が必要なのかも聞いておきましょう。
“リビングだけ樹脂サッシ&トリプルガラスにして見積もりを出してもらう”のもおすすめですよ!!
まとめ:窓はお金をかけていいパーツです
まとめです。
住宅のなかでも「窓」は1番熱が出入りしやすい場所。できれば窓は小さくて、数も少ないほうが良いのですが…
とはいえ、窓をたくさんつけて室内を明るくしたいし、大きな窓をつけて開放的なリビングにしたいですよね。
種類 | 標準 | おすすめ |
サッシ | アルミ樹脂複合 | 樹脂 |
ガラス枚数 | 2枚 | 3枚 |
ガラスの間 | アルゴンガス | アルゴンガス |
窓の性能をグレードアップするにはお金がかかりますが、そのぶん月々の光熱費は安くなります。
窓はオプション効果の高いパーツなので、ぜひ前向きに検討してみてくださいね。
【疑問】よく見かける「Low-Eガラス」ってなに?
ハウスメーカーの公式HPやカタログを見ていると、「Low-Eガラス」といった単語が出てきますよね。
これは「Low-E」という遮熱効果のある金属膜をガラスに貼っているガラスという意味です。
夏の日射熱を軽減してくれるので、冷房の効きも良くなります。
関連記事:
窓の種類と場所別のおすすめ窓。どこにどんな窓をつける?
【無料】気になるハウスメーカーのカタログを集めよう
住まいづくりにおいて、カタログはいわば教科書のようなもの。
これから3000万円以上の買い物をするのに、カタログの1つも持っておらず、勉強していない状況はさすがにマズイかなと思います…。
気になるハウスメーカーのカタログがまだ手元にないという方は、「ライフルホームズ」でサクッと揃えておきましょう。
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カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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