基礎知識

本当に必要?ハウスメーカーの保証にかかる費用やメンテナンスを解説

ハウスメーカーの保証ってなに?

ハウスメーカーの保証って、一体なにを保証しているんだろう…

どこまで保証してくれるのか、費用やメンテナンスについても教えてほしい。

そんな疑問を解決します。

■この記事で分かるコト

  • そもそも保証ってなに?
  • どこまで保証してくれるの?
  • 保証にかかる費用は?
  • 保証No.1のハウスメーカーはどこ?

この記事を書いた人

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この記事を書いている僕は、某大手ハウスメーカーの現役社員です。

住まいづくり初心者の方向けに、分かりやすく解説していきますね。

大手ハウスメーカーの保証を徹底比較

まずは大手ハウスメーカーの保証期間をチェックしてみましょう。

初期保証の長い順に表示しています。

メーカー名 初期保証
構造
防水
最長保証 無料点検
パナソニックホームズ 35年
35年
60年 40年
ミサワホーム 35年
30年
永続 30年
積水ハウス 30年
30年
永続 35年
ダイワハウス 30年
30年
60年 30年
住友林業 30年
30年
60年 30年
ヘーベルハウス 30年
30年
60年 永続
セキスイハイム 20年
20年
30年 永続
三井ホーム 10年
10年
30年 10年
一条工務店 10年
10年
30年 10年
タマホーム 10年
10年
60年 15年

※数値は各公式HPを参照

※メーカー名をクリックすると、各メーカーの保証ページに移動できます

大手ハウスメーカーの保証期間は上記の通りです。

商品やプランによって、保証内容は結構変わってくるので、契約前に必ずチェックするようにしましょう。

スーツくん
スーツくん
上記はあくまでご参考に!

そもそもハウスメーカーの保証ってなに?

そもそもハウスメーカーの保証ってなに?

注文住宅の保証は、

万が一、施工ミスなどがあった場合は、ハウスメーカー側が全額負担して補修しますよ

といったもの。

なんでもかんでも無料で直してくれるわけではなく、

  • 保証対象になる部分
  • 保証期間

なども細かく分けられています。

保証は「性能を確保するため」でもある

何かトラブルがあっても、その都度地元の業者さんに頼めばいいじゃん?

と思うかもしれませんが、それはちょっと危険です。

なぜなら、注文住宅はハウスメーカーの特許部品のかたまりで出来ているからです。

スーツくん
スーツくん
1つ1つの部品は、他のメーカーや工務店では手に入らない!

似たような部品を他のところから探してきても、

  • かえって費用がかかる
  • 住まいの性能が落ちる

といったデメリットのほうが大きくなります。

何もトラブルがなければ、保証は何の役にも立ちませんが、何かあったときには保証がないと困ります。

保証の中身はおもに4つ!これだけは覚えておこう

保証の中身はおもに4つ!これだけは覚えておこう

ハウスメーカーの保証の中身は、以下の4つに分かれています。

  1. 初期保証
  2. 最長保証期間
  3. 定期点検
  4. メンテナンス

この4つを押さえておけば、保証については大体OKです。

それぞれ簡単に解説していきます。

初期保証|最低10年は保証されます

初期保証は、保証の無料期間だと思ってOKです。

初期保証30年なら、30年目までの不具合はハウスメーカー側が負担して修繕してくれます。

ちなみに、どのハウスメーカーや工務店でも最低10年の初期保証がついてきます。

参照:国土交通省HP/住宅の品質確保の促進等に関する法律

最長保証期間|○○年目まで延長できるよ

最長保証期間は、初期保証が終わったあとも最大で○○年目まで延長できるよ、というもの。

一般的には

  • 30年長期保証
  • 60年長期保証

といったハウスメーカーが多いです。

注意点として、保証延長時には、ハウスメーカー規定の有料メンテナンス工事が必要になります。

住まいの性能を保ってくれないと、ハウスメーカー側も保証できない…

→保証できる性能まで修理してね、という理屈。

定期点検|自動車と一緒のやつ

どのハウスメーカーも、引き渡し後に定期点検を行ってくれます。

  • 半年
  • 2年
  • 5年
  • 10年

といった感じ。

自動車の○年点検と一緒で、こまめに点検することで、補修が必要になっても軽度で済みます。

スーツくん
スーツくん
初期保証が終わるまでは、点検も無料のところがほとんど!

メンテナンス|修理や交換

定期点検と一緒に、必要であればメンテナンスも行ってくれるところがほとんどです。

  • 建具の取り付け
  • 水回りの部品交換

など、その場で直せそうなものは直してくれます。

それが保証の範囲内なら無料だし、対象外だと費用がかかります。

ハウスメーカーはどこまで保証してくれるの?

ハウスメーカーはどこまで保証してくれるの?

保証って、一体どこまでの範囲を保証してくれるの?

といった疑問もありますよね。

お察しの通り、家全体をアレもコレも保証してくれるわけではありません。

  • 構造体
  • 防水
  • 設備
  • シロアリ

保証対象になるのは、おもに上記の4つ。

なんだか難しそうな単語もありますが、全然難しくありません!

構造体

構造体

構造体はその名の通り、家の骨組み部分についての保証です。

  • 基礎 など

例えば、「30年は持つ」と言われたのに、土台部分にヒビが入った。地震もなにも来てないのに…

そういう時には、ハウスメーカーが負担して修繕、もしくは返金などの対策をしてくれます。

防水

防水

外壁や屋根、バルコニーなどの雨漏りを防いでくれる部分の保証です。

防水部分の初期保証が15年なら、15年以内の雨漏りは基本的に無料で直してくれます。

設備

設備

設備関連の保証は、家電メーカーなどの保証になります。

  • キッチン
  • お風呂
  • トイレ
  • サッシ
  • ドア など

ハウスメーカーのなかには、主要な設備だけハウスメーカーが10年間保証することで、差別化をはかっているところも。

スーツくん
スーツくん
基本的にはPnasonicやTOTOなどの保証を参照することになります。

シロアリ(防蟻)

シロアリ(防蟻)

シロアリ工事の保証も、多くのハウスメーカーで用意されています。

新築時にもシロアリ対策を行いますが、それでも被害に遭った場合は、保証期間内なら補修してくれます。

ここまでに登場していない

  • フローリング
  • 壁紙(クロス)

などは、引き渡しから1~2年だけ保証がほとんど。

定期メンテナンスでも有料になることが多いので、ご注意を。

保証延長にかかる費用【10年おきに100万円以上】

保証延長にかかる費用【10年おきに100万円以上】

初期保証終了後に、30年・60年といった長期保証を受けるための条件は大体以下のとおりになります。

10年おきに有料のメンテナンス工事を実施

外壁・屋根などの塗装に1回あたり150~200万円

10年ごとにしっかりメンテナンスを実施して、保証を30年目・60年目まで延長していくことになります。

■なんで10年おきなの?

外壁や屋根などが劣化してくるのが、ちょうど10年スパンだからです。

30年間メンテナンスフリーの場合も

30年間メンテナンスフリーの場合も

出典:積水ハウス/陶板外壁ベルバーン

耐久性の高い外壁材や屋根材を採用している場合は、実質30年目までお金がほとんどかからないケースもあります。

定期点検で、

  • 水回りの部品の交換
  • 外壁の継ぎ目の修繕

など、小さな部分のメンテナンスだけで済む場合も多いです。

スーツくん
スーツくん
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保証延長は【任意】です

保証延長は拒否できます

10年ごとに150~200万円も払えないよ…

という人もいるかと思いますが、安心してください。

初期保証が終わった後に、保証の延長を受けるかどうかは“任意”です。

実際に「初期保証が終わったあとは、地元の業者さんにその都度お願いしている」という人もたくさんいます。

※例外として、長期優良住宅の認定を受けるためには、定期的に適切なメンテナンスが必要になります。

→【初心者向け】長期優良住宅とは|メリットデメリット

保証をどれだけ重視するかは、人それぞれ

保証をどれだけ重視するかは、人それぞれ

ハウスメーカー選びで、保証はどれくらい重要なの?

こうした疑問もあるかと思いますが、ぶっちゃけ人それぞれです。

  • 保証の長さに惹かれて、そのハウスメーカーに決める人
  • 10年経ったら、保証は延長せずに地元業者に頼む人

いろいろです。

また、そもそも住宅会社の意見もバラバラなんですよね…。

  • 大手ハウスメーカーは「長期保証があるから安心!」と言う
  • 工務店は「大手ハウスメーカーの保証はアテにならない」と言う

一体なにを信じればいいのか、分からなくなりますよね…。

住まい方や地域によって判断すべき

僕の意見としては、住まい方や地域によって判断するのが良いと思います。

■子どもが大人になってから引き継げる家にしたい

→保証は長いほうが良いはず。

■南海トラフで大きな被害が想定されている地域

→地震保証のあるハウスメーカーを選ぶのも良いと思います。

■温暖かつ災害の少ない地域で、できるだけ安く建てたい

→保証が短い工務店やローコストメーカーでも全然OK!

保証をどれだけ重視するかは価値観の問題ですが、住まい方や地域をもとに1度考えてみるのはおすすめですよ。

まとめ

まとめです。

本当の理想は、保証がいらないくらい頑丈な家に、メンテナンスフリーの外壁や屋根材を採用することです。

初期費用はかさみますが、住んだあとのコストは大幅に抑えられます。

長期保証のネックになるのが「10年おきの有料メンテナンス」なので、ぜひメンテナンスフリーの住宅も意識してみてくださいね!

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保証に関するよくある質問

保証期間内なのに、自己負担になったという口コミもよく見かけるけど?

大半は保証書の免責事項をよく確認していないことが原因だと思います。保証は「書面が全て」。内装などは1~2年しか保証がついていないことも多いので、ご注意を。

有償メンテナンスって、どんなことをするの?

外壁材の塗りなおし&継ぎ目(コーキング)の補修、屋根の塗り直し&防水シートの張り替えなどなど。足場を組んで工事を行います。

途中でリフォームしても、保証は受け続けられる?

ハウスメーカーに要確認です。30年保証などもハズれるケースが多いかと思います。リフォームや工事を行う場合は、絶対に確認したほうが良いですよ!

 

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