ユニット工法で建てる家って、実際どうなの?
ユニット工法のメリットデメリットや、ユニット工法があるハウスメーカーについて知りたい。
そんな方に向けて、この記事ではユニット工法のメリットデメリットについて解説します。
この記事を読めば、住まいづくりに必要なユニット工法の知識はマスターできるようになっています。
ちなみに、この記事を書いている僕は【現役ハウスメーカー社員】です(一級建築士の資格もアリ)
ユニット工法とは【積み木です】
ユニット工法とは、工場で四角い箱(ユニット)を生産して、現場で積み木のように組み合わせる建築方法です。
- ユニットを工場で作る
- トラックに載せて現場まで運ぶ
- クレーンで吊り上げて、基礎の上に積み上げる
また、ユニットは柱と梁を溶接して一体化しており、筋交いも必要としません。
ちなみに、ユニット工法は建物全体の8割を工場で完成させます。
- キッチン
- お風呂
- 床や外壁
なども、すべて工場で取り付けてから、現場に運ばれてきます。
ユニット工法のメリット
ここからはユニット工法のメリットについて解説していきます。
在来工法や2×4工法よりも優れている点がこちら↓
- 品質が安定している
- 地震に強い
- 工期が短い
順番にわかりやすく解説していきますね。
品質が安定している
建物の8割を工場で完成させるユニット工法は、現場での職人作業が少ないです。
言い換えれば、住宅ごとの完成度にバラつきが少ない(品質が安定している)ということです。
ハウスメーカーに入社してかなりの数の施工現場を見てきましたが…職人さんによって上手い・下手はかなり差があります。
その点、ユニット工法の建物は、いつどこで建てても高品質です。
ちなみに、ユニット工法は現地での組み立て作業も1日で完了します。
当日が晴れなら、柱や梁などの大事な部材が雨に濡れて傷む心配もありません。
※ハイム社員の友人に聞いても、品質の高さが1番の強みと言っていましたよ。
地震に強い(ボックスラーメン構造)
ユニット構造は耐震性の高さもウリです。
というのも、ユニット構造では“柱と梁が溶接で一体化されている”からです。
※通常の軸組工法では、柱と梁は金物やボルトで接合します。
出典:セキスイハイム
ユニット工法が地震に強い証拠として、セキスイハイムの家は以下の4つの地震でも倒壊ゼロでした。
- 阪神淡路大震災
- 新潟中越地震
- 東日本大震災
- 熊本地震
結論、ユニット工法の注文住宅では、耐震性の心配は全くいらないと思います。
工期が短い
ユニット工法は、建築にかかる工期も短くなります。
理由は、工場でユニットを作っている間に、現場で基礎工事も同時に進められるからです。
ユニット工法では、おおよそ着工から3か月程度で引き渡しまで完了します。
早ければ、着工から2か月で引き渡しできるケースも。
工期が短い=どんなメリットがある?
- 出産や入学に間に合う
- 工事の騒音や振動による近隣への迷惑も少ない
- 仮住まいの家賃も抑えられる
ちなみに、新築工事の騒音や振動にかかわる苦情はかなり多いです…。
なので、近隣への迷惑が少なく済むという点では、ユニット工法の工期の短さは大きなメリットかなと。
- 品質が安定している
- 地震に強い
- 工期が短い
ユニット工法のデメリット
続いて、ユニット工法のデメリットです。
- 間取りの制限が多い
- 狭小地や道幅が狭い土地は建てられないことも
- 外観の好き嫌いが分かれる
順番にわかりやすく解説していきますね。
間取りの制限が多い
ユニット工法の1番のデメリットは間取りの制限が多いこと。
ユニット工法は箱型のユニットを組み合わせる工法なので、ユニットの枠にあたる柱や梁は無くすことができません。
そのため、階段や窓はユニットの枠を避けながら設置しなければいけないといった制限が出てきます。
※ユニット内の空間の使い方は自由。通常の工法よりも大空間や大開口の確保しやすいメリットはあります。
狭小地や道幅の狭い土地では建てられないことも
ユニット工法の家は、狭小地や道幅の狭い土地では建てられないこともあります。
理由は、ユニットを運ぶ大型トラックやクレーンが建築現場まで入れないと、そもそも建築できないからです。
近隣のブロック塀を一時的に壊して、なんとか工事をさせてもらうという力技もありますが…気は向きませんよね。
周りの道路が狭い場合は、ユニット工法が可能かどうかをハウスメーカーに聞いてみましょう。
外観の好き嫌いが分かれる
ユニット工法の外観はぶっちゃけ好みが分かれます。
もちろん好きな人もいますが、自由度の高い軸組工法とはまた違った見た目になります。
箱型の建物になりがち
ユニット工法は直方体のユニットを組み合わせるので、建物の形状はどうしても箱っぽい形になりやすいです。
※フラット屋根を採用するとさらに箱っぽくなります。
つなぎ目が目立つことも
ユニット同士のつなぎ目では、目地やモール(継ぎ目を隠すカバー)が目立つケースもあります。
言われなければ気にならない程度ですが、気になる人は気になるのかなと…。
- 間取りの制限が多い
- 狭小地や道幅の狭い土地はできないことも
- 外観の好き嫌いがわかれる
ユニット工法はこんな人におすすめ
ここまでに紹介したメリットデメリットを踏まえて、ユニット工法は以下のような人におすすめです。
- 耐震性を重視したい人
- 高品質な住宅に安心して住みたい人
- 早く引っ越したい人
上記のどれか1つでも当てはまるなら、ユニット工法を採用しているハウスメーカーは選択肢に入れておきましょう。
ユニット工法のハウスメーカー2社
2020年現在、ユニット工法を採用しているのは
- セキスイハイム
- トヨタホーム
の2社のみです。
それぞれの違いも簡単に解説しておきます。
セキスイハイムのほうが優れている点
- 大容量の太陽光発電+蓄電池
- メンテナンス不要の磁器タイル外壁
- 実績・着工棟数
セキスイハイムの強みは、なんといっても搭載数がギネス記録にもなっている太陽光発電です。
電力を自給自足できるエコな住宅が好みの人は、セキスイハイムが合っています。
トヨタホームのほうが優れている点
- セキスイハイムよりも比較的安価
- 最長6.0mのユニット
- 2in1システムの全館空調システム
トヨタホームでは最長6.0mの大きなユニットを作れます。
セキスイハイムよりもユニット間の空間が広く、広々とした間取りやビルトインガレージなども可能になります。
また、性能自体はセキスイハイムとほとんど変わらないのに、価格が少し安いというのもトヨタホームのメリットです。
まとめ
というわけで、今回はユニット工法のメリットデメリットについて紹介しました。
最後にもう一度内容をおさらいしておきましょう。
- 工期が短く、品質も安定。地震にも強い!
- 狭小地では建てられないことも…
- セキスイハイムかトヨタホームの2択です
耐震性能や品質を重視するなら、ユニット工法のセキスイハイムやトヨタホームは前向きに検討してみましょう。
それぞれの詳細は以下の記事をご覧くださいませ。
ユニット工法のよくある質問
ユニット工法の価格は高い?安い?
ユニット工法は他の工法よりも価格は高くなる傾向にあります。
理由は、鉄骨の部材費用だけでなく、専用の工場や機械の開発にも費用が掛かっているからです。
ユニット工法はトヨタホームとセキスイハイムしか扱えないため、利益を多くとっているという噂もあったりなかったり…。
ユニット工法は木造もある?
一般的には「ユニット工法=鉄骨造」のイメージが強いですが、実は木造のユニット工法もあります。
セキスイハイムの「グランツーユー」という商品は、大手ハウスメーカーのなかで唯一ユニット工法を採用している木造住宅です。
気になるハウスメーカーのカタログは揃えましたか?
カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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