気になっているハウスメーカーが2×4工法なんだけど、2×4工法って実際どうなの?
在来工法(軸組工法)とどっちが良いのかも教えてほしい。
そんな方に向けて、この記事では2×4工法のメリットデメリットをまとめています。
住まいづくり初心者の方でも分かるように解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2×4工法(ツーバイフォー工法)とは
2×4工法(ツーバイフォー工法)は、在来工法とならぶ日本の木造住宅のメジャーな工法です。
大きくは【木造枠組壁工法】のなかの1つとして分類されています。
2×4工法は【面】で建物を支える工法
対して、2×4工法は面(パネル)で建物を支える工法です。
柱と合板を一体化したパネル状にして、
- 壁
- 床
- 天井
をパタパタと組み合わせていきます。
※窓やドアなどは壁をくり抜いて作ります。
在来工法は【線】で建物を支える工法
対して、在来工法は【線】を組み合わせて建てる工法です。
ここでいう【線】は、
- 柱
- 梁(はり)
- 筋交い(すじかい)
の3つの木材を指します。
ちなみに、在来工法の木材は105mm角や120mm角で、2×4工法よりも角材は太いです。
地方の工務店のほとんどは在来工法なので、日本の建物のおよそ7~8割は【在来工法】で建てられています。
「2×4」って、どういう意味?
“2インチ(38mm)×4インチ(89mm)の木材”を使っているため、2×4工法と呼ばれています。
2×6工法や2×8工法はさらに木材が太くなります。
2×4工法のメリット
そんな2×4工法のメリットがこちら↓
- 品質が安定している
- 台風・強風に強い
- 地震に強い
- 火事にも強い
いずれも在来工法より優れている点です。順番に解説していきますね。
品質が安定している
2×4工法は建物の品質が安定しています(住宅ごとの完成度にバラつきが少ない)。
というのも、2×4工法では規格化された部材を利用し、作業工程もすべてマニュアル化されているからです。
釘を打つ位置や本数、手順まですべてマニュアル化されています。
現場作業もすべてマニュアルに従うだけなので、職人さんの技術に完成度が左右される可能性は低いのが良いところです。
在来工法は職人さんの作業も多く、必ず品質にムラが出ます…。
台風・強風に強い
2×4工法はそもそもハリケーンが頻繁に起こる北米で生まれた工法です。
耐風性にはめっぽう優れているので、台風の多い日本でも安心です。
2×4工法は耐震性も高い
在来工法よりも耐震性に優れているのもメリットです。
線で組み立てる在来工法では、柱と梁の継ぎ目などに力が加わると、どうしてもその弱さが露呈します。
一方の2×4工法は継ぎ目の少ないパネル構造なので、パネル全体で力を分散・吸収できるんですね。
耐火性が高く、火災保険料も安い
2×4工法は火災にも強いです。
壁や枠がパネルで覆われているため、空気の流れを遮断して、火が燃え広がるのを防いでくれます。
また、1階と2階の境目にもファイヤーストップ材と呼ばれる角材を使用するので、初期消火で鎮火できる可能性も高くなります。
2×4工法は優れた防火性能を持つ構造として、火災保険料の優遇を受けられることもあります。
2×4工法の欠点・デメリット
2×4工法にも当然デメリットはあります。
- 大きな窓を作りにくい
- カビや結露が発生しやすい
- リフォームにも不向き
順番に解説していきますね。
大きな窓を作りにくい
2×4工法は大きな窓(開口部)が作りにくいのが難点です。
パネルで家を支える構造上、窓を作るために壁をくり抜くと強度がガクッと落ちてしまうんですね…。
カビや結露が発生しやすい
2×4工法にはカビや結露が発生しやすいというデメリットも…。
2×4工法は在来工法よりもスキマが少なく、気密性も高いのが特徴です。
これは大きな長所ですが、建物の中の湿気を逃がしにくく、カビや結露が発生しやすいという短所でもあります。
事前に保証があるかどうかを確認
2×4工法を採用している大手ハウスメーカーは、基本的にカビや結露も保証内で対応してくれます。
工務店はその会社によりけりなので、必ず保証があるかどうかは確認しておきましょう。
2×4工法はリフォームにも不向き
最後に、2×4工法で建てられた家はリフォームやリノベーションも苦手です。
壁で建物全体を支える構造なので、壁の位置を移動させたり、壁をなくすのは非常に難しいんですね。
一方の在来工法は、壁をぶち抜いて大きな空間を作れるので、リフォームや増改築にも柔軟に対応できます。
以上、2×4工法のメリットデメリットでした。もう一度まとめておきます。
メリット | デメリット |
品質が安定している | 大きな窓を作りにくい |
台風・地震・火事にも強い | カビや結露が発生しやすい |
火災保険料が安くなる | リフォームに不向き |
2×4工法の防音性について
少しマニアックな内容ですが、【2×4工法の防音性】についても簡単に解説します。
結論、2×4工法の家は外部からの音に強いですが、内部の音は響きやすいです。
2×4工法は外部からの音に強い
2×4工法はスキマが少なく、外部からの音が室内に伝わりにくいという特徴があります。
- 幹線道路のそば
- 電車が近くを通る
- 飛行機が通るルート
上記のような場所に建てる場合は、2×4工法の防音性も大きなメリットになります。
建物内部の音は響きやすい
2×4工法はスキマの少ない構造なので、内部の音も閉じこめます。つまりは響きやすい。
2階で子どもが走り回る音も、1階のリビングにズシズシ響いたり…。
メーカーごとで床の衝撃音を抑える対策も異なるので、ハウスメーカー選びの際は要チェックです。
今後の主流は2×6工法へ
今後は2×4工法よりも、2×6工法が主流になると思われます。
単純に2×4工法よりも優れている
2×4工法 | 38mm×89mm |
2×6工法 | 38mm×140mm |
2×6工法は、2×4工法よりも木材が2インチ大きくなるので、シンプルに耐震性能もアップします。
断熱材もたくさん入れられます
2×6材を使用するということは、2インチ壁が厚くなるということです。
断熱材は使用する木材の厚さ分だけ入れられるので、2×6工法のほうが断熱材も厚くなります。
2×4工法では89mmの厚さ、2×6工法では140mmの厚さの断熱材を入れることが可能。
2×6工法のほうが1.5倍以上も断熱材が厚くなるので、それだけ断熱性能が上昇します。
2×4工法(2×6工法)のハウスメーカー4選
2×4工法または2×6工法で建てられる大手ハウスメーカーは以下の通りです。
ちなみに2×4工法を日本に広めたのは「三井ホーム」と言われています。
※それぞれハウスメーカー名をクリックすると、特徴をまとめた記事へジャンプします。
▼大手ハウスメーカーの特徴をザクっと学びたい方は、以下の記事をご覧ください。
【まとめ】2×4工法と在来工法、どっちもOK
まとめです。
木造住宅であれば、ぶっちゃけ在来工法と2×4工法の差はそこまで気にしなくてもOKです。
どちらも十分な耐震性を持っていますし、住み心地を大きく左右するような違いはありません。
とはいえ、安定した品質・性能を確保できるという点では2×4工法が勝っているので、
施工ミスとか、職人の腕に左右されないか心配…
という方は、2×4工法のハウスメーカーを選ぶと安心ですよ。
気になるハウスメーカーのカタログは揃えましたか?
カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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