全館空調がおすすめのハウスメーカーってどこ?
各社の特徴や初期費用についても知りたい。
そんな方に向けて、この記事では全館空調が得意なハウスメーカーについてまとめています。
この記事を読めば、
- 各社の初期費用
- 性能の違い
- メンテナンス頻度や費用
などが分かるようになっています。
ぜひ全館空調を前提にしたハウスメーカー選びの参考にしてください。
この記事を書いた人
全館空調が得意なハウスメーカー6社
全館空調が得意なハウスメーカーは以下の6社です。
- 三菱地所ホーム
- 桧家住宅(ひのきや)
- 三井ホーム
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- トヨタホーム
上記以外のハウスメーカーにも全館空調はあります。
ただし、
- 建てた人のほとんどが全館空調を採用するハウスメーカー
- ほとんど採用されないハウスメーカー
に分かれているのが実際のところです。
加えて、全館空調をウリにしているハウスメーカーほど、全館空調の光熱費が安く、メンテナンスもしやすいという特徴があります。
全館空調の初期費用ランキング【メーカー別】
メーカー名 | 初期費用 |
三菱地所ホーム (エアロテック) |
標準仕様 |
桧家住宅 (Z空調) |
110万円~ |
セキスイハイム (快適エアリー) |
80~100万円 ※1階のみ |
トヨタホーム (スマートエアーズ) |
100~120万円 |
三井ホーム (スマートブリーズ) |
130~210万円 |
パナソニックホームズ (エアロハス) |
200万円 |
※価格は40坪の場合。延床面積や採用する製品やオプションによって価格は上下します。
三菱地所ホームの「エアロテック」は標準仕様なので、イニシャルコストは0円です。
それ以外のハウスメーカーでは、実質100~200万円の導入コストがかかると思っておきましょう。
※全館空調は期間限定キャンペーンのサービス対象になりやすい設備です。
ハウスメーカーによっては、事業所の判断でサービスできる場合もあるので、営業マンに交渉してみる価値はアリですよ。
全館空調の機能性を比較してみました
「どの全館空調が1番良いの?」というわけで、各ハウスメーカーの全館空調の機能性も比較してみました。
前提として、どのハウスメーカーの全館空調にも
- 冷暖房
- 除湿
- 空気清浄
といった、普通のエアコンについている機能は備わっています。
メーカー名 | 機能 | 花粉除去 |
三菱地所 ホーム (エアロテック) |
部屋ごとに 温度調節 |
97% |
桧家住宅 (Z空調) |
フロアごとに 温度調節 |
74% |
三井ホーム (スマートブリーズ) |
部屋ごとに 温度調節 加湿・脱臭機能 |
90% |
パナソニックホームズ (エアロハス) |
部屋ごとに 温度調節 |
99.9% |
セキスイハイム (快適エアリー) |
人感センサー | 99.9% |
トヨタホーム (スマートエアーズ) |
フロアごとに 温度調節 |
96% |
※オプションで+αの機能がついたフィルターにアップできるメーカーもあります。
【1】部屋ごとに温度設定できるハウスメーカー
以下の3社の全館空調は、部屋ごとに温度設調節が可能です。
- 三菱地所ホーム(エアロテック)
- パナソニックホームズ(エアロハス)
- 三井ホーム(スマートブリーズ)
注意点として、自由自在に温度を変えられるわけではなく、基準温度から±2℃といった設定になります。
とはいえ、“暑がりさんと寒がりさんの温度をめぐる争い”も、部屋ごとに温度を調節することで解決できますね!
【2】フロアごとに温度調節ができるハウスメーカー
出典:ENTESU HOME
部屋ごとの温度調節はできないけど、1階と2階でそれぞれ温度調節できる全館空調もあります。
- 桧家住宅(Z空調)
- セキスイハイム(快適エアリー)
- トヨタホーム(スマートエアーズ)
上記メーカーの全館空調は1階と2階のエアコンが別系統なので、孤立した動きが可能です。
人の集まる1階はしっかり暖めて、2階は就寝前までエコ運転といった省エネな使い方もできますよ。
【3】加湿・脱臭機能のあるハウスメーカー
三井ホームの「スマートブリーズ」は1台7役と題して、加湿・脱臭機能もついています。
「室内が乾燥して加湿器が必須になる」というのが、これまでの全館空調の大きなデメリットでした。
三井ホームの全館空調は加湿機能がついているので、加湿器も不要。適切な湿度でウィルスなどを抑え込むこともできます。
※他社でもオプションで加湿機能や脱臭機能はつけられるところが多い
【4】人感センサー付きのハウスメーカー
出典:セキスイハイム
セキスイハイムの「快適エアリー」には、人がいない部分を感知して、そこだけ省エネ運転してくれる人感センサーがついています。
これは何気にすごくて、あったら便利だけど、まだ他のメーカーには実装されていない機能の1つです!
メンテナンス性が優れている全館空調はどれ?
全館空調も通常のエアコンと同じように、フィルター掃除やフィルター交換が必要になります。
そして、フィルター掃除やフィルター交換の頻度は、ハウスメーカーによってバラバラです。
メーカー | 掃除 | 交換 | 年間 |
セキスイ ハイム |
2~3 か月 |
5年 | 6,000円 |
パナソニック ホームズ |
6ヶ月 | 5年 | 5,000円 |
三井ホーム | 1か月 | 6ヶ月 ~2年 |
3,000円 |
トヨタホーム | 2~3 週間 |
2年 | 2,000円 |
三菱地所 ホーム |
2~3 週間 |
6ヶ月 | 15,000円 |
桧家住宅 | 2~3 週間 |
3か月 | 24,000円 |
※フィルターは楽天やAmazonで売っていたりするので、交換費用は上記より安くすることもできます。
フィルター掃除はエアコンと同様、汚れが目立ってきたり、空調の利きが悪くなってきたら行います。
フィルター交換の頻度が少なくて済むハウスメーカーは、
- セキスイハイム
- パナソニックホームズ
上記2社のフィルター交換は5年に1回スパンなので、交換費用も大幅に削減できますよ。
各ハウスメーカーの全館空調の特徴まとめ
なんとなく各社の全館空調のイメージがつかめたところで、それぞれのハウスメーカーについて、もう少し掘り下げていきます。
三菱地所ホーム/エアロテック
三菱地所ホームは全館空調のパイオニアと言われるハウスメーカーです。
三菱地所ホームの話題になると、必ずと言っていいほど「エアロテック」の名前が上がります。
ハウスメーカーの中では珍しい「全館空調が標準仕様」。オプション料金も脱臭フィルターくらいで、初期費用を大幅に削減可能。
部屋ごとに温度調節できるので、暑がりさんも寒がりさんも快適に過ごせます。
全館空調のエネルギーをまかなえる2.16kWの太陽光発電も標準でついてきます。
三菱地所ホームの総評
なんといっても【全館空調が標準仕様】というのが魅力的。
全館空調が標準仕様ということは、そもそも全館空調がいらない人はターゲットから外しているということ。
それだけ三菱地所ホームは全館空調で勝負していることになります。
※長期10年保証&無償点検あり(フィルターやパーツも無償交換)
桧家住宅/Z空調(ぜっくうちょう)
出典:hinokiya.jp
斎藤工さんが出演するCMでおなじみの「Z空調」。
全館空調にかける熱量はハウスメーカーの中でも1番スゴイです。
桧家住宅は坪単価20~50万円で建てられるローコストメーカーです。全館空調を導入したとしても、トータルの建築コストはリーズナブル。
Z空調は1階と2階にエアコンを設置し、その気流をダクトで分けるシステムです。フロアごとに独立して温度調節可。
各吹き出し口についたルーバー(羽板)を調節することで、風量も調節可能。
桧家住宅の総評
そもそもの坪単価が安いので、全館空調も資金計画のうえで負担になりにくいのが良いところ。
全館空調にかける想いもハウスメーカーの中で1番スゴイので、全館空調を導入したい人との相性が良いハウスメーカーです。
花粉除去率は74%と低めです。オプションで高性能フィルターにグレードアップ推奨。
三井ホーム/スマートブリーズ
業界屈指のデザイン力と設計力を誇る「三井ホーム」。
全館空調「スマートブリーズ」は、以下の3つのシリーズから選択可能です。
- ACE:小屋裏に機械室を設置できる。エリアごとの温度設定も可能。
- PLUS:スタンダードな床置きタイプ。メンテナンス性も◎。
- ONE:初期費用やランニングコストを削減できる新シリーズ。各部屋ごとの温度調整も可能。
※「ONE」は40坪以下のみ採用可能。
冷房・暖房・換気・空気清浄・除湿といった基本的な機能に加えて、加湿と脱臭の機能もアリ。
室内が乾燥しやすいという全館空調の弱点を「加湿機能」でカバー。乾燥しやすい冬場でも快適。
オプションで脱臭機能のある「光再生脱臭フィルター」や「プラズマクラスターイオン」を選択可能。ペットやタバコなどの臭いもキャッチして分解。
※モデルによって価格差あり。
三井ホームの総評
三井ホームの2×6工法という気密性の高い構造は、冷暖房効率を考えた時にも、全館空調と相性良しです。
ちなみに、三井ホームの社内アンケートでは、「自社の強みはなにか?」に対して「全館空調」という回答が1番多かったそうですよ。
パナソニックホームズ/エアロハス
Panasonicの住宅事業をになう「パナソニックホームズ」。
全館空調「エアロハス」は2019年に全館空調システムで初めて「省エネ大賞」を受賞しています。
熱交換システムの代わりに、気温変化の少ない地中熱を基礎から取り入れる方法を採用。
病院の集中治療室でも使われる【超高性能HEPAフィルター】を搭載。フィルター性能はズバ抜けています。
エアロハスも他の家電製品と同様、信頼と実績のPanasonic製です。これ以上の安心材料はありませんよね。
パナソニックホームズの総評
パナソニックホームズで建てるなら、ぜひともエアロハスはつけたいところ。
僕も実際にパナソニックホームズさんの研修を受けたことがありますが、フィルター性能は間違いなくトップクラスです。
デメリットを挙げるなら、エアロハスの初期費用が約200万円と高いこと。
また、大型パネル構法(F構法)ではエアロハスをつけられない点にも注意です。
セキスイハイム/快適エアリー
出典:minsuma.jp
太陽光発電や蓄電池を利用したエコな暮らしを得意としている【セキスイハイム】。
「快適エアリー」は1階のみの空調で、2階には通常のルームエアコンを設置する人が多いです。
※オプション(40~60万円)で2階にも「快適エアリー」をつけられます。
空調の吹き出し口はフロアに設置。空気が行き届きにくい床付近も涼しく温かくなるのが特徴。
「快適エアリー」は1階のみ。2階は必要に応じてルームエアコンを稼働させることで、電気代も節約できます。
セキスイハイムの木造「グランツーユー」では、高性能換気システム×冷暖房システムの「空気工房プラス」となります。
セキスイハイムの総評
従来の全館空調は24時間365日、人のいない部屋でも運転しているのが大きなデメリットでした。
快適エアリーは1階のみなので、2階もずっと電気代を食っている状況をなくせます。
また、人感センサーによる省エネ運転も、エコな暮らしが得意なセキスイハイムらしいですね。
トヨタホーム/スマート・エアーズ
世界のトヨタ自動車の住宅事業をになう「トヨタホーム」。
あまり馴染みがない方もいるかもしれませんが、着工棟数は業界第10位です。
全館空調「スマート・エアーズ」はトヨタらしく、デンソーの技術を応用したオリジナルの全館空調システムになっています。
フロアごとの温度調節が可能。1階と2階の空調が独立して動く。
1階は床に、2階は天井に吹き出し口を設置。頭と足の温度差はどこにいても±1℃以内に。
月曜日から日曜日、起床時間や就寝時間など、自分たちの生活パターンをプログラム設定可能。
トヨタホームの総評
トヨタホームといえば、「耐震等級3」を楽々クリアする強靭な鉄骨構造がウリです。
とはいえ、やっぱり鉄骨は熱しやすく冷めやすいもの…。
トヨタホームで建てる場合は、ぜひとも「スマートエアーズ」を導入して、快適な暮らしを手に入れましょう。
【その他】全館空調のある大手ハウスメーカー
今回名前の挙がらなかった大手ハウスメーカーでも、全館空調は基本的に導入できます。
ただし、メーカー側もそこまで推しているわけではないので、今回は割愛しました。
上記メーカーはどちらかといえば、全館空調以外の部分をウリにしているハウスメーカーです。
※全館空調を採用している人も少ない。
性能や光熱費を重視するなら、全館空調をウリにしているハウスメーカーから選ぶのがおすすめですよ。
【豆知識】全館空調の電気代を抑えたいなら…
全館空調の電気代をなるべく抑えたい人は、高気密・高断熱にもこだわるのが良いと思います。
冷暖房効率は“どれだけ熱を逃がさないか”、つまり断熱性と気密性に大きく左右されるからです。
鉄骨よりも木造のほうが断熱性は高い
木造のほうが断熱性も高く、全館空調との相性も良しです。
今回紹介した6社の鉄骨or木造は以下のようになります。
メーカー名 | 構造 |
三菱地所ホーム | 木造 |
桧家住宅 | 木造 |
三井ホーム | 木造 |
パナソニックホームズ | 鉄骨 |
セキスイハイム | 鉄骨(木造) |
トヨタホーム | 鉄骨 |
鉄骨と木造で悩んでいる方は、鉄骨と木造の違いを11項目で比較してみたの記事を読んでいただければ、ある程度解決するかと思います。
2×4工法や2×6工法は気密性が高い
木造のなかでも2×4工法や2×6工法などのスキマの少ない工法で建てる家は、気密性も高くなります。
スキマが少ない=熱も外に逃げにくいので、全館空調の光熱費も抑えることができますよ。
気になるハウスメーカーのカタログを集めよう
気になるハウスメーカーのカタログは、すでに集め終わりましたか?
カタログはいわば、住まいづくりの教科書。
これから数千万円もの大金を払うのに、気になるハウスメーカーのカタログさえ持っていないのは、ちょっとマズイですよね…。
カタログ集めがまだ終わっていない方は、ホームズくんでおなじみのポータルサイト「ライフルホームズ」が1番使いやすかったので、ぜひ。
完全無料で気になるハウスメーカーのカタログがまとめて手に入るので、スキマ時間にでも済ませておきましょ!
ライフルホームズ(公式サイト)
▼カタログ集めの体験談と営業ナシの手順▼
まとめ
メーカー | 初期 費用 |
花粉 | メンテナンス |
三菱地所 ホーム |
〇 | △ | ▲ |
桧家住宅 | △ | ▲ | ▲ |
三井ホーム | △ | △ | △ |
パナソニック ホームズ |
▲ | 〇 | 〇 |
セキスイハイム | △ | 〇 | 〇 |
トヨタホーム | △ | △ | △ |
※〇>△>▲の順で優れています
全館空調をつければ、間違いなく快適な暮らしが送れます。
しかし、全館空調をつける人が多いハウスメーカーとそうでないハウスメーカーはハッキリ分かれています。
全館空調を導入するなら、全館空調が有名なハウスメーカーで建てるのがセオリーですよ!
よくある質問
インスタグラム(住宅スーツくん@家づくり)のフォロワーさんからいただいた、全館空調に関する質問もここで共有しておきます。
床冷房です(一条は床暖房が標準仕様なので、合わせて年中快適にしませんか?というのが「さらぽか」です。
全館空調ユニットは東芝・デンソー・三菱電機・Panasonicなどが作っています。ハウスメーカーが構造と相性の良いものや提携している企業のものを採用する形になっています。
気になるハウスメーカーのカタログは揃えましたか?
カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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