南海トラフも心配だし、一生に一度のマイホームはとにかく地震に強い家にしたい。
本当に耐震性が高いハウスメーカーってどこ?
そんな方に向けて、この記事ではプロ2人が選んだ地震に強いハウスメーカーランキングを紹介します。
鉄骨と木造に分けて紹介しているので、ぜひハウスメーカー選びの参考にしてみてください。
この記事を書いた人
この記事の信ぴょう性を高めるため、同じくハウスメーカーに勤める友人のパンダマンにも協力してもらいました。
大手ハウスメーカーの耐震性能を比較
まずは大手ハウスメーカーの耐震性能を比較した表をお見せします。
用語の補足として
- カイン:揺れの速さ
- ガル:揺れの大きさ
といったイメージで見てもらえばOKです。
メーカー名 | 最大カイン | 最大ガル | 条件 |
三井ホーム | 231カイン | 5115ガル | 木造2階 |
パナソニック ホームズ |
161カイン | 3831ガル | 鉄骨2階 |
住友林業 | ー | 3406ガル | 木造3階 |
大和ハウス | 175カイン | 1782ガル | 鉄骨2階 |
積水ハウス | 160カイン | ー | 鉄骨2階 |
セキスイハイム | ー | 2202ガル | 鉄骨2階 |
ヘーベルハウス | 157カイン | ー | 鉄骨3階 |
ミサワホーム | 94カイン | ー | 木造2階 |
一条工務店 | ー | ー | 木造2階 |
※数値は各メーカーの公式HPを参照
耐震実験の結果を比較してみると、頭1つ抜けているのが「三井ホーム」です。
- 阪神淡路大震災:891ガル
- 新潟中越地震:1722ガル
- 東日本大震災:2933ガル
- 熊本地震:899ガル
- 三井ホーム:5115ガル
数字だけを見れば、どんな巨大地震が来ても「三井ホーム」なら耐えられそうな気がしますよね。
耐震実験の数値はあくまで参考に。。
注意点ですが、耐震実験の数値はあくまで参考程度に見ておきましょう。
理由は以下の通りです。
- 耐震実験の条件がメーカーによってバラバラ
- 最大ガル数などの数値はあくまで公表値
- 商品や間取りプランによっても耐震性が異なる
また、数値は非公表のところも多く、20年近く前の実験結果しか載っていないメーカーもあります。
僕たち現役社員でさえ、厳密にどのハウスメーカーが1番強いのかは分からないのが本音です…。
プロが選ぶ、地震に強いハウスメーカーは…
分からないと言いつつも、「このハウスメーカーは明らかに耐震性が高いだろ」といったハウスメーカーもあります。
また、ローコストメーカーよりも大手ハウスメーカーのほうが地震に強いのも事実でしょう。
というわけで、独断と偏見になりますが、今回は僕とパンダマンが“明らかに強い”と感じたハウスメーカーを厳選してみました。
【鉄骨編】地震に強いハウスメーカーランキング
まずは鉄骨住宅で地震に強いハウスメーカーを紹介します。
【1位】ヘーベルハウス
1位は満場一致で「ヘーベルハウス」。僕もパンダマンも真っ先に名前を挙げました。
巨大地震が懸念されている地域などでは、「躯体の強さだけでヘーベルハウスに決めた!」という人も多くいます。
ビルや商業施設に使われる「重量鉄骨」を2階建て住宅に使用できるのはヘーベルハウスだけ。
一般的な軽量鉄骨よりもコストはかかりますが、それでも「地震に強いこと」を優先しているのがヘーベルハウスです。
地震エネルギーを吸収する制震フレームと、「剛床システム」と呼ばれる一体化した床面も大きな特徴。
かたい床が鉄骨と鉄骨の間に入るので、建物が揺れにくくなり、倒壊しにくくなります。
外壁を完全には固定せず、揺れたときに回転させることで力が伝わるのを防ぐ「ロッキング工法」を採用。
地震時に外壁がボロボロと脱落したり損傷したりするのを防いでくれます。
注文住宅メーカーのなかでも、ヘーベルハウスの躯体は最強です。
耐震実験や工法うんぬんではなく、そもそも使用している部材がビルで使う「重量鉄骨」です。
2015年に茨城県の鬼怒川が決壊した際には、ヘーベルハウスの家だけが持ちこたえ、流れてきた家まで支えている光景が話題になりました。
出典:Yahoo!不動産
家の持ち主さん曰く、この状況でもヘーベルハウスからは「家にいたほうが安心だよ」と言われていたそうです。
続いて、鉄骨ハウスメーカー第2位です。
【2位】セキスイハイム
第2位は「セキスイハイム」。耐震性で選ぶなら、こちらもハズせないハウスメーカーです。
セキスイハイムには、建物のおよそ8割を工場で完成させてから現場で組み立てる「ユニット工法」ならではの強さがあります。
柱と梁をボルトで固定するのではなく溶接して一体化。さらに1つ1つの柱と梁も100m角と太いのが特徴。
ユニット工法×ボックスラーメン構造という、そもそもの構造自体が強いです。
建物の土台にあたる基礎部分には、面で支える「ベタ基礎」を採用。
線で支える「布基礎」とは違い、面で支えることで地震の衝撃を分散します。
セキスイハイムの家は、外壁すべてが耐力壁以上の強度を持っています。
ユニットの構造体がしなやかにエネルギーを吸収し、建物を取り囲む外壁でガッチリ耐える「ハイブリッド耐震」が真骨頂。
ちなみに、熊本地震や東北大震災のみならず、建築基準法が見直される以前の阪神淡路大震災でもセキスイハイムの建物は倒壊ゼロです。
続いて、鉄骨ハウスメーカー第3位です。
【3位】大和ハウス
第3位は少し悩みましたが、耐震・免震・制震すべてに力を入れている「大和ハウス」を選びました。
耐力パネルを搭載した「ディークト」や「ディーネクスト」などの制震技術が標準仕様。
軸組工法の弱点をカバーしながら、地震の揺れを小さくしてくれます。(オプションで免震技術も選択可)
土台と基礎を結ぶアンカーボルトには、直径16mmの波状の異形アンカーボルトを採用。
地震の揺れでもアンカーボルトが抜けづらくなり、土台や基礎から崩れてしまうのを防いでくれます。
免震構造に力を入れている大和ハウスの住まいは、一般的な住宅よりも揺れが小さいのが特徴。
倒れてきた家具の下敷きになってしまうなど、2次被害のリスクも小さくなります。
大和ハウスの鉄骨2階建てはオーソドックスな軸組工法です。
とはいえ、他社の軸組工法とは違って、軸組工法の弱点をカバーする形で制震技術を取り入れています。
出典:Facebook/大和ハウス
大和ハウスは業界最大手のハウスメーカーで、商業施設やマンションなどの大きな建物もたくさん手がけています。
注文住宅だけを扱うハウスメーカーと比べると、大和ハウスは耐震技術のノウハウも豊富です。
【木造編】地震に強いハウスメーカーランキング
続いて、地震に強いハウスメーカーランキング【木造編】を紹介します。
【1位】ミサワホーム
出典:misawa.co.jp
第1位は「ミサワホーム」。蔵のある家を筆頭に、グッドデザイン賞31年連続受賞などの実績を残しているハウスメーカーです。
一般的な軸組工法ではなく、「モノコック構造」と呼ばれる木質パネル接着工法で建てます。
線ではなく「面」で建物を支えるため、シンプルに揺れに強いです。パネル同士を接着して一体化することで構造体はさらに強固に。
木質パネル内には制震ダンパー「エムジオ」も設置されています。
面で支えるパネル工法だけでも十分に強いですが、さらに地震エネルギーも熱エネルギーに変換して吸収してくれます。
地震発生時にわが家の「リアルタイム震度」「被災度」などを見える化してくれる、IoT技術「ガイネット」も採用。
地震時にもすぐに状況を把握できるので、逃げ遅れなどのリスクも小さくなります。
面で支えるパネル工法を採用して、さらにパネル同士を接着して強固に一体化。
おまけに制震ダンパーまで入っているので、木造住宅のなかでもミサワホームの耐震性はトップクラスでしょう。
出典:misawa.co.jp
なお、ミサワホームの住まいは1967年の創立以来、地震による倒壊はゼロです。
木造住宅にも関わらず、阪神淡路大震災や東日本大震災でも倒壊ゼロというのは、また違った意味で恐ろしいですよね。
続いて、木造ハウスメーカー第2位です。
【2位】三井ホーム
出典:Facebook/三井ホーム
第2位は「三井ホーム」。ミサワホームと悩んだ結果、わずかの差で今回は2位に選びました。
三井ホームといえば、そのデザイン性の高さが注目を集めますが、構造自体も地震に強いですよ。
面で支える2×6工法をベースに、木材を一体化させる接合プレートや約2.4tの重量にも耐える屋根などを組み合わせたオリジナルの構法。
それぞれの強い面構造をさらに一体化させることで、高い耐震性を実現しています。
「マッドスラブ」と呼ばれる超剛性のベタ基礎を採用し、鉄骨量も従来の2倍に。三井ホームは土台もかなり強固です。
地震によって基礎がひび割れたりするリスクも小さくなります。
橋などの建築物に使われる「トラス構造」を住宅にも採用。建物の変形を抑えることで、地震でも倒壊しにくくなります。
その強度は鉄骨と比較しても遜色がないほどです。
建物部分のプレミアムモノコック構造も強いですが、建物を支える土台もしっかりしているのが三井ホームの特徴です。
出典:mitsuihome.co.jp
ちなみに、三井ホームの木造住宅といえば「震度7に60回耐えた家」としても知られています。
参考までに、耐震実験では5,115ガル(gal)という衝撃に対しても大きな損傷はなかったとのこと。
- 熊本地震:1,580gal
- 東日本大震災:2,933gal
という数字を見ても、三井ホームの木造住宅がいかに強いかは分かります。
続いて、木造ハウスメーカー第3位です。
【3位】住友林業
出典:住友林業
3位は「住友林業」です。知る人ぞ知る木造住宅のトップメーカーですが、住宅の構造も良い意味でぶっ飛んでいます。
ちなみにおしゃれなハウスメーカーランキングでも、僕とパンダマンは第1位に選びました。
住友林業が独自に開発したBF構法(ビッグフレーム構法)では、一般的な柱よりも約5倍も太い柱を使用。
他社の木造住宅が貧弱に見えてしまうほどの強靭な柱は、大きな開口部が取れるなど、間取りの自由度にも貢献しています。
柱と梁と基礎をメタルタッチ(金属ボルト)で接合することで、柱と梁が一体化した鉄骨ラーメン構造のように強固な住宅に。
ボルトで1箇所ずつ止める一般的な軸組工法よりも強いというのは、素人目に見ても明らかです。
グッドデザイン賞も受賞した地震エネルギー吸収パネル(GSパネル)は、一般の筋交い工法に比べて、建物の変形を最大約70%も抑えることが可能。
軸組ベースの工法にパネル工法の良さも取り入れています。※GSパネルは商品によっては装備されません。
木造住宅のなかでも、鉄骨住宅と遜色のない耐震性を持つ「住友林業」。
信じられないかもしれませんが…
出典:nikkei.com
住友林業は東京・丸の内に70階建て「木造」ビルを建てようとしています。
木造での構造に自信がなければ、木造70階建てなんて建てようとも思いませんよね。
その他候補に挙がったハウスメーカー4社
出典:パナソニックホームズ
その他、僕とパンダマンから名前が挙がったハウスメーカーは以下の通りです。
- 積水ハウス
- パナソニックホームズ
- トヨタホーム
- 一条工務店
なかでもパナソニックホームズはかなり迷いました。
パナソニックホームズには「地震による建て替え保証」があることからも、耐震性にはかなり自信を持っていることが分かります。
地震に強いハウスメーカー、一体なにが違う?
地震に強いハウスメーカーは他の住宅メーカーとなにが違うの?
ここでは簡単に3つの違いをご紹介します。
プラスアルファの耐震・制震
工法そのものは、どの建築会社もあまり変わりません。
ただし、地震に強いハウスメーカーはに基本的な構造に加えて、
- 柱と梁をより強固に一体化
- 制震フレーム・制震ダンパー
といったプラスアルファの要素があります。
独自のテクノロジーを持っている
地震に強いハウスメーカーは、他社には真似できない独自の技術を持っているという特徴もあります。
- 住友林業のビッグフレーム構法
- ミサワホームホームのセンチュリーモノコック構法
などは分かりやすい例です。
地元の工務店が同じような構造で建てられるかというと、決してそうではありませんよね。
「過去の大震災でも倒壊ゼロ」という実績
いくら構法や制震技術がすごくても、実際の地震で倒壊してしまっては全く意味がありません。
今回紹介したハウスメーカーは、いずれも「大震災による倒壊ゼロ」などの実績があります。
ハウスメーカーのなかには
- 地震で倒れてきた隣の家を支えていた
- モデルハウスを震災時の避難場所として開放した
といったエピソードもあるほどです。
耐震性だけでハウスメーカーを選んでもいいの?
結論、耐震性だけでハウスメーカーを選ぶのも全然アリです。
僕が務めるハウスメーカーが集計したアンケート結果でも、「耐震性能を1番に考えている」という人はかなり多かったです。
日本で地震が発生しないところはない
「日本で地震が発生しないところはありますか?」という問いに対して、気象庁は以下のように回答しています。
日本で地震が発生しないところはありません。小さな規模の地震は日本中どこでも発生しています。
また、ある場所で過去に大きな規模の地震が発生していたとしても、地表に痕跡(活断層など)が残らないことがあります。
このため「この場所は大きな規模の地震が絶対ありません」と言えるところはありません
日本に注文住宅を建てるうえで、地震対策は避けて通れません。
巨大地震はいつどこで起こるかも分からないので、耐震性能が高くて損をすることはありません。
耐震性を左右する3つのポイント
鉄骨と木造の違いなど、住宅の耐震性能を左右するポイントもいくつかあります。
ここでは注文住宅で重要な3つのポイントを紹介します。
木造よりも鉄骨のほうが強い
一般的には木造よりも鉄骨のほうが地震に強いです。
理由は、シンプルに鉄のほうが木よりも固くて安定しているから。
鉄骨住宅のほうが耐久性も高く、耐用年数も長くなります。
軸組工法よりも2×6工法が強い
軸組工法(在来工法)よりも、2×6工法やパネル工法などの「面で支える工法」のほうが地震に強いです。
理由は、地震エネルギーを点ではなく面で吸収して分散できるからです。
布基礎よりもベタ基礎のほうが強い
家の土台部分にあたる「基礎」も、一般的には「ベタ基礎」のほうが地震に強いと言われています。
床下に鉄筋コンクリート盤面を作って支える。
連続するコンクリートの柱面で支える。
画像出典:クレバリーホーム
家を支える面積はベタ基礎のほうが大きくなるので、ベタ基礎のほうが地震に強いということです。
布基礎 | 一条工務店 ミサワホーム ヘーベルハウス パナソニックホームズ 積水ハウス 大和ハウス トヨタホーム |
ベタ基礎 | 住友林業 三井ホーム セキスイハイム |
念のため【耐震等級】もチェックしておこう
ハウスメーカーを選ぶ際には、耐震性能の指標になる「耐震等級」もチェックしておきましょう。
耐震等級1 | 建築基準法で定められている最低限の耐震性能。震度6強~7の地震でもすぐに倒壊はしないが、大規模修繕や建て替えの可能性は高くなる。 |
耐震等級2 | 震度6強~7の地震でも、補修すれば住み続けられるレベル。等級1の1.25倍の耐震性能。 |
耐震等級3 | 震度6強~7の地震でも、軽い補修で住み続けられるレベル。等級1の1.5倍の耐震性能。 |
上記の通り、最も地震に強いのは「耐震等級3」です。
耐震等級3を満たす住宅なら、ひとまずは安心といった形になります。
耐震等級3=地震に強い家ではない
耐震等級3だからといって、必ずしも地震に強い家が建つとは限りません。
耐震等級が定められたのは2000年と随分前で、耐震等級よりも構造計算などのほうが耐震性のうえでは重要だったりもします。
耐震等級は間取りプランで変わります
補足として、耐震等級は間取りによっても変化します。
耐震等級3が取れるハウスメーカーでも、間取りによっては取れないケースもあります。
「耐震等級3がほしい」といった内容は、設計段階からしっかり伝えておきましょう。
地震に強いハウスメーカーで強靭なマイホームを
まとめです。
大手ハウスメーカーならどこも耐震性能は十分ですが、プロ2人が選んだ結果は以下のようになりました。
順位 | 鉄骨 | 木造 |
1位 | ヘーベルハウス | ミサワホーム |
2位 | セキスイハイム | 三井ホーム |
3位 | 大和ハウス | 住友林業 |
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