長期優良住宅ってなに?名前は聞いたことがあるけど、いまいちよく分からない…
なんだか難しそうだし、できるだけ簡単に教えてほしい。
そんな方に向けて、この記事では長期優良住宅のメリットデメリットを誰でも分かるように解説しています。
難しい話は抜きにして、ポイントだけ押さえたい人に向けた記事となっています。
ちなみにこの記事を書いている僕は、大手ハウスメーカーの現役社員です。
今回も裏事情などを交えて、解説していきますね。
長期優良住宅とは
長期優良住宅は、国が定めた「長く住み続けられる家」のことを指します。
従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅。
引用:国土交通省ホームページ
国も環境保護の観点などから、「つくっては壊す」ではなく「手入れして長く住まう」を重要視しているんですね。
だから、「できるだけ長く住めるような構造にしたり、ちゃんとメンテナンスしてくれたら、行政が税金を安くするよー」といった感じで、優遇しながら推進しているわけです。
長期優良住宅って、どのハウスメーカーにもあるの?
名の知れた大手ハウスメーカーなら、長期優良住宅に適合した住まいが標準仕様となっています。
あらかじめ長期優良住宅を見据えて、部材や仕様なども規格化されているので、そのハウスメーカーにお願いすれば、そのまま長期優良住宅に認定されますよ。
ただし、これはあくまで名の知れた大手ハウスメーカーのお話。
地元の中小工務店だと、長期優良住宅が難しいところもたくさんあります。
長期優良住宅のほうが寿命は長い?
「長期優良住宅」と呼ぶくらいだから、普通の住宅よりも寿命が長いの?
実際のところ、長期優良住宅も普通の住宅も寿命は変わりません。
先ほども書いたように、大手ハウスメーカーならどこも標準仕様で適合するので、標準の住宅=長期優良住宅です。
長期優良住宅のメリットは税金面にアリ!
長期優良住宅にするメリットって何なの?
長期優良住宅のメリットは、ずばり税金が安くなることです。
ぶっちゃけそれ以外のメリットはありません。あくまでお金の話。
住宅ローンの控除 | 年末の住宅ローン残高の1%が所得税・住民税から戻ってくるよ |
投資型減税 | マイホームを現金購入した場合、最大65万円控除するよ |
不動産取得税の減税 | 家を建てたときに税金の控除額が上がるよ |
登録免許税の税率引き下げ | 登記の税率が低くなるよ |
固定資産税の減税 | 一定期間内は固定資産税が1/2になるよ |
住宅ローンの金利優遇 | フラット35の優遇プランorフラット50を利用できるよ |
地震保険料の割引 | 耐震等級に応じて割引するよ |
補助金 | 工務店かつ木造限定で、最大110万円あげるよ |
付加価値 | 売却時に高く売れるよ |
長期優良住宅のメリットは、上記9つの項目となります。
営業トークなどで「住宅の品質や性能が良い!」とアピールされるかもしれませんが、実際のところほとんど変わりません。
メリットは「税金が安くなること!」と捉えておきましょ。
長期優良住宅のデメリットやマイナスな点
税金が安くなるのは嬉しいけど、当然デメリットもあるんだよね…?
長期優良住宅のデメリットは基本的にありません。
他のサイトなどを見るとそれらしいデメリットが記載されていますが、実際のところはちょっと違います。
長期優良住宅のウソホント、見ていきましょう。
定期的なメンテナンスの義務は生じます
デメリットがあるとすれば、定期的なメンテナンスとその記録を残しておく義務があることです。
仮に行政から抜き打ち検査があった場合、ちゃんとメンテナンスをしていないと長期優良住宅を取り消されてしまう可能性もあります。
とはいえ、抜き打ち検査が行われているかどうかも不明というのが実際のところです。
僕も8年間ハウスメーカーで働いてきて、抜き打ち検査で取り消されたという話は1度も聞いたことがありません。
というわけで、実際はそこまでデメリットというほどのことではありません。
とはいえ、安全で快適な住まいを維持するためにも、メンテナンスは受けたほうがいいですよ!
※詳細が気になる方は国土交通省HPの「認定後に行っていただくこと」の資料をご覧ください。
長期優良住宅は申請費用が高い!?
長期優良住宅は1軒ごとに申請⇒認定されるため、必ず行政(県や市)に申請しなければいけません。
その際、ハウスメーカーにお願いすることになるので、申請費用は必ずかかります。
とはいえ、申請費用と税制面の優遇を天秤にかけると、十分に元は取れますよ。
長期優良住宅の申請費用【実例】
- パナホーム:50,000円
- セキスイハイム:73,000円
- 大和ハウス:45,000円
同じ業界の友人に聞いたところ、各ハウスメーカーの申請費用は上記のような価格帯です。
長期優良住宅の申請だけなら、どこも10万円以下で収まりますよ。
申請費用は20~30万円って聞いたけど…?
ハウスメーカーに頼むと20~30万円は上乗せされるってホント?
「上乗せされる」「ぼったくり」などは一切ありません。
ただ、ハウスメーカーによっては、長期優良住宅と合わせて「住宅性能表示」などの申請費用がセット料金になっているところもあります。
その場合、額面は申請費用20~30万円ということになります。
なので、どんなハウスメーカーであれ、諸々の申請費用を合わせると20~30万円くらいになります。
これは諸経費だと割り切っておきましょう。
長期優良住宅は建築費用が高い!?
長期優良住宅でも、通常の住宅と建築費用はほとんど変わりません。
大手ハウスメーカーなら標準仕様で長期優良住宅を取れるので、通常の建築となんら変わりませんよ。
長期優良住宅は数カ月も工期が長くなる?
工期が長くなるというのも基本的にはありません。
長期優良住宅は標準仕様ですからね…。
で終わりです。
それどころか、長期優良住宅にしない場合は、
となるくらいです。
大手ハウスメーカーなら、長期優良住宅は日常。工期も費用もいつも通りですよ。
■長期優良住宅のウソホント
- 申請費用が上乗せされる⇒ぼったくりとかはない。その他の申請と合わせて20~30万円くらいが相場。
- 建築費用が高い⇒ほとんど変わらない。設備のグレードアップとかはあるかも。
- 工期が長くなる⇒聞いたことがない。通常と同じ。
というわけで、長期優良住宅のデメリットは基本的にありません。
税金面を安くしたいなら、お願いするのがおすすめですよ!
ちなみに長期優良住宅の申請などは、すべてハウスメーカーがやってくれます。
施主は何もやらなくてOK。
知っておきたい長期優良住宅の注意点
最後に、これだけは知っておいてほしい!という長期優良住宅の注意点をまとめました。
長期優良住宅のメリットは人によって違う
長期優良住宅で受けられる税制面のメリットは、所得税などによって金額が異なります。
人によってメリットの大きさは異なるという点は知っておきましょう。
定期点検やメンテナンスはちゃんと受けること
長期優良住宅の条件を満たすために、ハウスメーカーの定期点検やメンテナンスはちゃんと受けましょう。
また、メンテナンスの記録などを残しておくと、あとあとトラブルが起きた時も安心です。
ハウスメーカーの点検やメンテナンスさえ受けておけば、長期優良住宅はずっと認定され続けます。
サボらずに受けてくださいね。笑
中小工務店は申請費用が高いケースも
標準仕様でクリアできる大手ハウスメーカーとは違い、地元の中小工務店は頑張って長期優良住宅を通さないといけないところもあります。
その場合、通常よりも多く申請費用がかかることもあるので、金額は事前に聞いておきましょう。
長期優良住宅ができない工務店もある
そもそも長期優良住宅に適合するような住宅が建てられない工務店もたくさんあります。
あとから気づいても遅いので、具体的な話を進める前の段階で聞いておきましょう。
長期優良住宅のある大手ハウスメーカー
最後に、標準仕様で長期優良住宅がとれる大手ハウスメーカーをまとめておきます。
基本的に名の知れたハウスメーカーなら、どこも標準仕様で取れますよ。
※メーカー名をクリックすると、ハウスメーカーの特徴をまとめた記事にそれぞれ移動します。
現状、長期優良住宅の取りやすさは、大手ハウスメーカーと地元の工務店で大きな差があります。
長期優良住宅を検討している方は、大手ハウスメーカーから絞っていくのが良いと思いますよ!
気になるハウスメーカーのカタログは揃えましたか?
カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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