外壁で選ぶなら、どこのハウスメーカーがおすすめ?各ハウスメーカーの外壁の強さやメンテナンス性について知りたい。
そんな方に向けて、この記事では優れた外壁をもつハウスメーカー6選をまとめました。
この記事を読めば、
- 外壁選びで本当に見るべきポイント
- 各メーカーのメンテナンス頻度
- 現役社員が選ぶカッコイイ外壁BEST3
なども分かるようになっています。
▼この記事を書いた人▼
ちなみにこの記事を書いている僕は、某大手ハウスメーカーの現役社員です。
本気で「これは良い!」と思った外壁だけを厳選しているので、ぜひ参考にしてみてください。
後悔しない外壁選びのポイント4つ
まずは、外壁選びのポイントについて簡単にまとめておきます。
外壁はデザインや初期費用も大事ですが、それだけで選んでしまうと、住んでから後悔するパターンも多いです…。
後悔しないために見るべきポイントは、以下の4つ。
①メンテナンス費用がかからない
まず、メンテナンス費用が抑えられる外壁を選ぶことが大切です。
外壁のメンテナンス費用は高額で、足場を組むだけでも数十万円かかるのが実際のところ。
「住んでから1番家計を圧迫するのは外壁メンテナンス」と言っても過言ではありません。
外壁塗装 | 70~100万円 |
重ね張り | 180~240万円 |
貼り替え | 200~260万円 |
※30坪の費用相場
初期費用を抑えたいがために、グレードの低い外壁を選んでしまうと、10年おきに100万円以上の費用がかかるケースもあります。
今は60年間メンテナンスフリーの外壁もあるので、初期費用だけではなく、ライフサイクルコストも意識して選ぶようにましょう。
②セルフクリーニング効果がある
出典:ケイミュー株式会社
2つ目は、光触媒などを用いたセルフクリーニング効果のある外壁を選ぶこと。
- 太陽光で汚れを分解
- 雨で汚れを洗い流す
といった自浄作用がある外壁なら、汚れも目立ちにくく、多少の汚れは高圧洗浄機だけで落とせます。
③耐火性が高い
外壁には隣家からの延焼を食い止める役割もあり、住宅密集地に建てる場合は「外壁の燃えにくさ」というのも重要になってきます。
例えば、耐火性の低い外壁だと、簡単に引火してしまい、短時間で自分の家も燃えてしまうことに…。
逆に、耐火性の高い外壁なら、
- 簡単には引火しない
- 燃え移っても、室内の温度上昇はゆるやか
- 結果、逃げる時間が確保できる
など、万が一の時にも命を守ってくれます。
都心部や住宅街では、外壁の耐火性も必ずチェックしておきましょう。
④軽くて、地震に強い
出典:大和ハウス/ベルサイクス
4つ目は、できるだけ軽い素材の外壁材を選ぶこと。外壁が重いほど、地震の揺れで構造は揺られやすくなるからです。
外壁が軽いほど耐震強度は上がるので、「外壁の軽さ」をアピールしているハウスメーカーはおすすめですよ。
外壁が強い&汚れにくいハウスメーカー6選
というわけで、ここからは数あるハウスメーカーのなかから、特に優れた外壁材をもつハウスメーカー6社を紹介します。
外壁の特徴やメンテナンス頻度についてもまとめているので、ぜひハウスメーカー選びの参考にしてください。
ヘーベルハウス【へーベル板】
塗り直し | 20~30年ごと |
目地(継ぎ目) | 15年ごと |
セルフクリーニング | あり(オプション) |
ヘーベルハウスでは、軽量気泡コンクリートの「ALCコンクリート」を採用しています。
※業界内では「へーベル板」や「へーベルボード」と呼ばれています
へーベル板は耐火性が高く、住宅密集地におすすめの外壁。庭付き2階リビングや屋上利用など、都市型住宅を得意とするヘーベルハウスの特性ともフィットします。
通常のコンクリートの1/4の重量で、その軽さは水に浮かぶほど。地震の揺れでも、構造に負荷がかかりにくい。
945℃まで表面を加熱しても、裏面温度は引火危険温度をはるかに下回る。阪神淡路大震災でも、へーベル板が防火壁になり、延焼を食い止めた。
地震の揺れに対して、外壁がクルクル回る「ロッキング工法」を採用。外壁の損傷や脱落も少ない。
あえてデメリットを挙げるなら、気泡が多く、水を吸いやすいところ。
防水塗装が剥がれると、内部結露やカビの原因になるので、定期点検&修繕は欠かせない外壁です。
関連記事:【100万超え】へーベルハウスの坪単価と価格|リアルな見積もり
パナソニックホームズ【キラテック】
塗り直し | 60年 |
目地(継ぎ目) | 60年 |
セルフクリーニング | あり |
パナソニックホームズの外壁「キラテック」は、磁器タイルにTOTOの光触媒技術を施した外壁です。
キラテック自体はオプション扱いですが、パナソニックホームズで建てるなら、絶対に採用したい外壁です。
塗り直し不要。張替え不要。継ぎ目のコーキング材でさえ、60年間メンテナンスフリー。住んでからのコストがかからない。
タイル外壁でダサいとよく言われる、ボードとボードの継ぎ目(目地)も隠せる。見た目スッキリでオシャレ。
選べるカラーやパターンが豊富。優れた性能を持ちながら、周りと違った外観にすることもできる。
デメリットは特になし。光触媒によるセルフクリーニングは、日の当たらない場所では発揮されないので、日当たりだけ注意です。
関連記事:【総額どれくらい?】パナソニックホームズの坪単価と特徴まとめ
一条工務店【ハイドロテクトタイル】
塗り直し | 60年 |
目地(継ぎ目) | 30年ごと |
セルフクリーニング | あり |
一条工務店では、磁器タイルの「ハイドロテクトタイル」もオプションで選べます。
一条工務店らしく、外壁の性能も業界トップクラスです。
TOTOの光触媒技術を応用したセルフクリーニング効果あり。汚れがつきにくく、目立ちにくい。
自社生産のため、タイル外壁としては他社よりも安い。キャンペーンの対象になることも多い。
全5色のハイドロテクトタイルから、2色を選んで貼り分けるのもプラン内で可能。外観にアクセントが出しやすい。
あえてデメリットを挙げるなら、目地は30年に1回打ち直しが必要で、目地自体も隠せない。加えて、デザインも限られています。
シンプルに外壁だけを比較すると、パナソニックホームズの「キラテック」の下位互換といった感じです。
※それでもメンテナンス費用を大幅に削減できることは間違いありません。
関連記事:【これが現実】一条工務店の坪単価と見積もりを公開【全部込み】
セキスイハイム【磁器タイル】
塗り直し | 60年 |
目地(継ぎ目) | 30年ごと |
セルフクリーニング | あり |
セキスイハイムはメンテナンス性の高い「磁器タイル外壁」が標準仕様のハウスメーカーです。
タイル表面に塗装を施していないため、塗り直しも不要。継ぎ目部分も30年に1度でOK。
高温で焼き固められているため、ドライバーや釘で削っても傷がつかないほど固い。飛来物にも強い。
光触媒によるセルフクリーニング効果もアリ。汚れも目立ちにくく、お手入れも簡単。
セキスイハイムの鉄骨=タイル外壁になるので、タイルの質感が好みじゃない人はちょっと注意です。
タイル外壁にもいくつかグレードがあり、選べる楽しさがあるのも良いところです。
関連記事:【最新】セキスイハイムの坪単価とリアルな見積もり12件を公開
積水ハウス【ダインコンクリート】
塗り直し | 30年ごと |
目地(継ぎ目) | 30年ごと |
セルフクリーニング | あり |
積水ハウスの鉄骨住宅で使われる、オリジナル外壁「ダインコンクリート」。
へーベル板と同じ気泡コンクリートの一種で、業界トップの分厚さと彫りの深い陰影をもった外壁です。
厚さ55~60mmと、一般的なサイディング外壁の4倍近い厚さをもつ。家を守るうえではこの上なく頼もしい。
厚みが生み出す彫りの深いデザインは、見た目だけで選ばれるほど人気。陰影ができるので、高級感も出る。
揺れに対して外壁がクルクル回る「ロッキング工法」を採用。大地震においても損傷や脱落が少ない。
あえてデメリットを挙げるなら、ダインコンクリートは重すぎること。
それを支えるだけの構造があるので、耐震性は心配ありませんが、軽いへーベル板などに比べると耐震性は劣ります。
とはいえ、この厚みのある高級感はダインコンクリートでしか手に入りません。
積水ハウス【ベルバーン】
塗り直し | 60年 |
目地(継ぎ目) | 30年ごと |
セルフクリーニング | なし |
積水ハウスの木造住宅で使われる、オリジナル外壁の「ベルバーン」。
陶器と同じように焼き固めて作られる「陶板外壁」で、焼き物ならではの艶や高級感を味わえる外壁です。
1100℃の高温で焼き固められているので、隣家の延焼にもかなり強い。釘や金属よりも固く、外壁が傷ついたり、割れる心配もナシ。
タイル外壁と同様、基本的に塗り直しは不要。メンテナンスは30年に1度、目地部分の打ち直しのみ。
他の外壁とは違い、焼き物ならではのツヤや高級感がある。他の家とかぶりにくい。
セルフクリーニング効果はないので、バルコニーや雨だれなどの汚れが目立つケースはあるかもしれません。
ケルヒャーなどの高圧洗浄機を揃えておくと、見た目もキレイに保てると思います。
※陶器なので汚れは落としやすい。
関連記事:【最新】積水ハウスの坪単価と6つの特徴|値引きのコツ
モデルハウスで営業マンに確認すべきポイント
以下、外壁について、営業マンに確認しておきたいポイントです。
- 標準で選べる外壁材
- オプション料金
- 塗り直し・目地交換の頻度と料金
営業マンに言えば、外壁ごとの初期費用とメンテナンスコストをシミュレーションしてくれるので、お願いしてみるのも良いと思います。
※オプションでタイル外壁などを選んだほうが、トータルコストは安く済むケースが多い。
プロが選ぶ!カッコイイ外壁ランキングBEST3
番外編として、僕が実際に見て「カッコイイ!」と思った外壁BEST3を紹介します。
あくまで僕の好みにはなりますが、気になる外壁があれば、ぜひモデルハウスなどで実物を見てみてください。
①住友林業【シーサンドコート】
1つ目は住友林業のシーサンドコート。モルタル外壁の上から、貝殻やサンゴなどを散りばめたシーサンドコートを吹き付けたものです。
遠くから見ると落ち着いた風合いですが、近くで見ると、
- 貝殻
- サンゴ
- 砂
などがキラキラ光っているという…!!
これだけオシャレな外壁が「標準仕様」というのも嬉しいポイントで、内装のアクセントとして使うのもすごくおすすめです。
※汚れがつきやすいので、10年ごとに塗り替え推奨。
②積水ハウス【ベルバーン黒】
2つ目は、積水ハウス(木造)のベルバーン黒色。
ツヤのある黒色の焼き物が家全体を覆うことで、よくある戸建てサイズでも「要塞」のような豪邸に見えます。
カワいさ0/カッコよさ100といったキレのある見た目がカッコイイ!!
③大和ハウス【ベルサイクス】
3つ目は大和ハウスの「ベルサイクス」です。
外壁材は一般的な窯業系サイディングですが、12mmという厚さはサイディングのなかでも最大級。
デザインもおしゃれで、厚みが生み出す「彫りの深さ」は高級感たっぷり。これ1つで周りと差をつけられる外壁です。
※最上位グレードの商品でしか選べないのが難点…
関連記事:【2021】大和ハウスのリアルな坪単価と実際の見積もり
【簡単まとめ】外壁の種類のメリットデメリット
今はどのハウスメーカーも独自の外壁材をアピールしていますが、実際にベースとなっている外壁は5種類ほどしかありません。
外壁材 | 特徴 |
モルタル | 塗り壁 |
サイディング | 最もポピュラー |
ガルバリウム | 金属製 |
コンクリート | 火災に強い |
タイル | 高級&高耐久 |
それぞれのメリットデメリットを簡単に紹介するので、外壁についてイマイチよく分からないという方はチェックしておいてください。
独特の質感なら「モルタル」
「モルタル」は現場で職人さんが表面を塗る外壁です。
塗ることでしか出せない質感が出せるし、目地の上から塗れば、目地の劣化を防ぐことも可能。
将来的にヒビ割れたり、職人さんのレベルに左右されやすい点に注意。
最もポピュラーな「窯業系サイディング」
国内で1番人気の外壁が「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」です。80%の家が採用しています。
初期費用が安く、標準仕様のメーカーも多いため、外壁にこだわりがない人の多くはサイディングに落ち着くことが多いです。
カラーやデザインも豊富で、
- シンプル
- 石目調
- タイル調
など、さまざまなパターンから選べるので、周りとかぶらないような外観も作れます。
目地の塗り直しは10年ごとに必要。あくまでタイル“調”なので、タイルのような耐久性を持っていない点に注意。
低コスト×メンテナンス性なら「ガルバリウム」
「ガルバリウム鋼板」は、初期費用が比較的安く、塗り直しもいらない金属製の外壁です。
地震に強く、汚れも水洗いで簡単に落とせるため、近年採用する人が増えています。
ガルバリウムの見た目が好みなら、「ガルバリウムでいいでしょ」とおすすめできるくらい、バランスの取れた外壁です。
金属なので錆びる可能性アリ。凹むと直しにくい。塩害地域では非推奨。
重厚感と耐火性なら「コンクリート」
重厚感のあるデザインや、火災の強さで選ぶなら、コンクリート外壁がおすすめ。
分厚さから生まれる重厚感や耐火性の高さは、「ヘーベル板」「ダインコンクリート」などのコンクリートでしか手に入りません。
高級感とメンテナンスフリーの「タイル外壁」
高級感のあるデザインや塗り直し不要の外壁がいいなら、タイル外壁1択です。
初期費用は高くなりますが、色あせることもなく、汚れも目立ちにくいため、住んでから「選んで良かった」と思えるはず!
色選びにご用心。面積効果って知ってる?
最後に、外壁選びで1番後悔しやすい「色選び」について簡単に解説します。
「イメージしていた色と違った」が断トツ多い
外壁の後悔ポイントで最も多いのが「イメージしていた色と違った」という声です。
一生懸命に色見本帳や外観パースで確認したけど、実際に建ってみるとなんか違う…。
実はコレには“面積効果”という人体の不思議が関係しています。
面積効果とは
出典:uchicomi.com
面積効果とは、小さなサンプルと大きなサンプルでは、同じ色でもなぜか違う色に見えてしまうことです。
これはもう遺伝子レベルで人間に組み込まれているので、色見本帳や外観パースをいくら確認したところ、実物とのギャップは生まれます。
外壁の色は「実物」を参考にするのが1番おすすめ
というわけで、外壁の色選びで失敗しないためには、実際の建物を参考にするのが1番おすすめです。
すでに建っている住宅やモデルハウスを見て、
- 営業マンに「あの色がいい」と伝える
- 色見本帳と照らし合わせる
などなど。
実際の戸建てサイズで確認すれば、面積効果によるギャップは埋められるので、これはぜひ!
関連記事:新築の外観がダサい人の3つの共通点とは【オシャレな外観への近道】
まとめ
外壁選びの4つのポイント
- メンテナンス費用
- セルフクリーニング効果
- 耐火性
- 軽さ(耐震性)
おすすめのハウスメーカー6社
- ヘーベルハウス(へーベル板)
- パナソニックホームズ(キラテック)
- 一条工務店(ハイドロテクトタイル)
- セキスイハイム(磁器タイル外壁)
- 積水ハウス(ダインコンクリート)
- 積水ハウス(ベルバーン)
外壁の種類と選び方
- 独特の質感なら「モルタル」
- 無難にいくなら「サイディング」
- 低コスト×メンテナンス性なら「ガルバリウム」
- 重厚感と耐火性なら「コンクリート」
- 高級感とメンテナンスフリーの「タイル」
色選びのコツ
- 小さな見本と実物では、色にギャップが生まれる
- 実物の色を参考にして決めること
- ※紙の上だけで色を決めるのは危険!!
最後に…外壁はどうしても初期費用の安さやデザインを重視しがちですが、実はメンテナンスコストが1番大事。
外壁の塗り直しはめちゃくちゃ高額です。1回につき100万円以上の費用がかかり、それが10年おきにやってくる…。
初期費用は高くなりますが、メンテナンスフリーの外壁を選んだほうが結果的にお得になることが多いので、ぜひ検討してみてくださいね。
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