マイホームは鉄骨がなんとなく良いなと思ってるけど、ハウスメーカーもいろいろあって、どこが良いか分からない。
あと、木造もまだ候補に入っているから、あらためて鉄骨のメリットデメリットも教えてほしい。
そんな方に向けて、この記事では鉄骨ハウスメーカー6社の徹底比較や鉄骨のメリットデメリットをまとめています。
一級建築士の資格も持っているので、この記事の信頼性はある程度高いと思います。
鉄骨ハウスメーカー6社を徹底比較
前置きとして、大手ハウスメーカーに勤めて9年、どのメーカーも性能に大きな差はないと感じています。
どのハウスメーカーでも頑丈で高性能な家が建つので、突き詰めると「好み」の問題になるのかなと。
鉄骨メーカー6社の特徴をカンタン解説
まずは各ハウスメーカーの特徴を簡単にまとめておきます。
- 大和ハウス
- 積水ハウス
- ヘーベルハウス
- セキスイハイム
- パナソニックホームズ
- トヨタホーム
順番に解説していきます。
大和ハウス(ダイワハウス)
出典:大和ハウス
- 天井が高い家
- 外張り断熱
- 3電池連携システム
大和ハウスは住宅販売戸数トップの最大手ハウスメーカーです。
天井高は標準仕様で2m72cmと、一般的な家よりも20~30cmほど高くなっています。
鉄骨ハウスメーカーのなかでも断熱性能が高く、停電時も1週間以上は普通に暮らせる“災害に強い家”も魅力的です。
積水ハウス
出典:積水ハウス
- ダインコンクリート
- おしゃれで提案力が高い
- アフターサービスも◎
着工棟数No.1の「積水ハウス」。鉄骨住宅の目玉となるのは外壁の「ダインコンクリート」です。
彫りが深く、どんな家でもダインコンクリートで高級感のある外観へと早変わりします。
また、人気No.1のハウスメーカーということもあり、提案力やアフターサービスの質も間違いありません。
ヘーベルハウス
出典:ヘーベルハウス
- 「重量鉄骨」で躯体最強
- 屋上・空付きバルコニー
- ALCコンクリート(外壁・床材)
ヘーベルハウスは、マンションやビルで使う「重量鉄骨」を注文住宅で採用しています。
地震はもちろん、津波や河川が氾濫したときも、ヘーベルハウスの家だけで流されずに残っていたという逸話も数知れず。
屋上利用や空付きバルコニーなど、家にいながら庭を楽しめるプランも得意としています。
セキスイハイム
出典:セキスイハイム
- ユニット工法で品質安定
- 電気を自給自足できる家
- 磁器タイル外壁(30年メンテフリー)
セキスイハイムでは、工場で建物の8割を完成させて、現場で積み木のように建てる「ユニット工法」を採用しています。
現場作業が少なく、住宅ごとの完成度にバラつきが少ないのが大きな強みです。
「おひさまハイム」「あったかハイム」などの“電気を自給自足できる家”もウリにしています。
パナソニックホームズ
出典:パナソニックホームズ
- 空気がキレイ
- Panasonic製の設備で統一可
- 狭小地や密集地に強い
パナソニックホームズの家は、とにかく室内の空気がキレイです。
集中治療室で使われる「超高性能HEPAフィルター」を通った空気だけが、室内に給気される仕組みになっているからです。
全館空調「エアロハス」をはじめ、キッチンや照明設備もすべてスタイリッシュなPanasonic製品で揃えることもできます。
トヨタホーム
出典:トヨタホーム
- ユニット工法or軸組工法
- 全館空調「スマート・エアーズ」
- 曲線の外壁が作れる
トヨタホームの注文住宅は、ユニット工法と軸組工法の2つに分かれています。
ユニット工法はセキスイハイムより安く建てることができ、軸組工法では曲線のある外壁を作れるのが大きな特徴です。
トヨタ自動車のおひざ元である愛知県では、シェア率の高いハウスメーカーですね。
坪単価ランキングで比較
鉄骨ハウスメーカー6社を坪単価で比較してみました。
順位 | メーカー名 | 平均坪単価 |
1位 | ヘーベルハウス | 99.2万円 |
2位 | 積水ハウス | 95.9万円 |
3位 | 大和ハウス | 95.0万円 |
4位 | セキスイハイム | 87.0万円 |
5位 | パナソニックホームズ | 86.4万円 |
6位 | トヨタホーム | 76.5万円 |
※2020年6月に住宅産業新聞で発表されたデータをもとに算出した坪単価
価格帯としては、ヘーベルハウスが頭1つ抜けています。
逆に、安い鉄骨ハウスメーカーならトヨタホームといった形になります。
耐震性なら「ヘーベルハウス」「セキスイハイム」
正直、大手ハウスメーカーならどこも耐震性能は十分なレベルです。
あえてランキング化するなら、個人的には
- ヘーベルハウス:重量鉄骨
- セキスイハイム:ボックスラーメン構造
の2社が、特に耐震性能に優れているかなと。
いずれも高層ビルで使われる部材や構造で、全邸標準仕様で耐震等級3もとれます。
断熱性が高いのは「ダイワハウス」
続いて、断熱性能も比較してみましょう。
※断熱性能が高いほど、夏は涼しく、冬は暖かくなります。
メーカー名 | UA値 |
大和ハウス | 0.54 |
積水ハウス | 0.55 |
トヨタホーム | 0.56 |
パナソニックホームズ | 0.60 |
ヘーベルハウス | 0.60 |
セキスイハイム | 非公表 |
※数値は各メーカーの公式HPを参照
大和ハウスや積水ハウスは、断熱材で柱ごとぐるっと覆ってしまう「外張り断熱」のような断熱構造です。
※柱と柱の間に断熱材をつめていく「内断熱」が一般的。
そのため、他のハウスメーカーよりも断熱性能は若干高くなり、冷暖房効率なども良くなっています。
口コミ・評判も調べてみました
今回紹介したハウスメーカー6社を、オリコン顧客満足度の口コミ評判ランキングを参考にまとめてみました。
順位 | 名称 | 点数 |
1位 | ヘーベルハウス | 79.70点 |
2位 | 積水ハウス | 78.41点 |
3位 | セキスイハイム | 77.96点 |
4位 | パナソニックホームズ | 77.96点 |
5位 | 大和ハウス | 77.45点 |
6位 | トヨタホーム | 76.66点 |
あくまでアンケートをもとにした満足度ランキングですが、ヘーベルハウスは現場レベルでも評判が良いです。
屋上や空付きバルコニーが作れるので、都心部などの「庭がとれない小さな敷地」に建てる場合は、ぜひとも検討したいハウスメーカーですね。
【構造は2種類】ラーメン構造と軸組工法
鉄骨ハウスメーカーのなかでも、構造は大きく2つに分かれています。
- 軸組+制震構造
- ラーメン構造
少しマニアックな内容になるので、以下は読み飛ばしてもらってもOKです。
軸組+制震構造
軸組工法は「在来工法」とも呼ばれる、新築では一般的な構造です。
- 柱
- 梁(はり)
- 筋交い
の3つを組み合わせて建てます。
また、鉄骨造は木造よりも揺れやすいため、プラスで制震フレームなどをつけるのが一般的です。
■軸組+制震構造のメーカー
- ヘーベルハウス
- 積水ハウス
- 大和ハウス
- パナソニックホームズ
- トヨタホーム
ラーメン構造
出典:セキスイハイム
対する「ラーメン構造」は高層ビルなどで使われる構造で、柱と梁を溶接して一体化しています。
ボルトで留めるよりも強度が高く、筋交いや制震フレームなどを必要としません。
■ラーメン構造のメーカー
- セキスイハイム
- トヨタホーム
鉄骨住宅はローコストメーカーや工務店でも建てられます
ちなみに、地元に密着したローコストメーカーや工務店のなかにも、鉄骨をメインに扱っているところはたくさんあります。
※意外と知られていませんが!
Googleなどで「地域名 鉄骨住宅」で検索するとヒットするので、気になる方は一度試してみてください。
鉄骨ハウスメーカーを選ぶメリットデメリット
なんだかんだで、まだ鉄骨か木造かで迷っている…
そんな人も多いと思うので、鉄骨住宅のメリットデメリットも簡単にまとめておきますね。
鉄骨住宅のメリット
- 耐震性能が高い
- 品質が安定(現場ミスが少ない)
- 大空間・大開口をつくれる
- 耐久性が高い
鉄骨ハウスメーカーを選ぶ人は、やっぱり耐震性や耐久性の高さが決め手になる人が多いです。
鉄骨住宅のデメリット
- 部材の価格が高い
- 地盤改良の費用も高い
- 気密性・断熱性が低い
- 揺れやすい
鉄骨住宅の大きなデメリットは、木造よりも気密・断熱性が低いことです。
快適さを求めるなら、木造にするか、あるいは全館空調や床暖房をつけるのがおすすめです。
結論、鉄骨と木造どっちがおすすめ?
どちらも良いところ・悪いところがあるので、向き不向きや好みの問題です。
- 頑丈で長く住める家がいいから「鉄骨」
- 住み心地重視で「木造」
どちらも正解です。
自分たちが住まいづくりで何を重視するかによって、ベストな選択も変わってきます。
▼鉄骨と木造どちらかをハッキリ決めたい人は、以下の記事もご覧ください▼
【豆知識】軽量鉄骨と重量鉄骨の違いについて
補足として、鉄骨住宅で使われる鉄骨には2つの種類があります。
軽量鉄骨 | おもに注文住宅で使われる鉄骨。鋼材の厚さが6mm未満。 |
重量鉄骨 | 工業施設やビルで使われる鉄骨。鋼材の厚さが6mm以上。 |
重量鉄骨のほうが強度は高くなりますが、それだけコストも高くなります。
ただし、強度の高い重量鉄骨なら、間取りの制限なども一切なくなるメリットはあります。
実際、ヘーベルハウスでは間取りの観点から、2階建てで重量鉄骨を採用する人も多いです。
重量鉄骨のある大手ハウスメーカー4社
- 大和ハウス:3~5階建て
- 積水ハウス:3~4階建て
- パナソニックホームズ:3~4階建て
- ヘーベルハウス:2階建て~
※一部、9階建てまで建てられるメーカーもありますが、ここでは割愛。
狭小地や多世帯住宅などで3階建て以上にする場合は、重量鉄骨で間取りの制限をなくしてプランニングするのもアリだと思います。
その際は、上記のハウスメーカー4社のいずれかになるかなと。
まとめ
まとめです。
この記事を読んでいる方の多くは、まだハウスメーカーが決まっていない段階だと思います。
ハウスメーカーを絞るうえでは、やっぱり鉄骨と木造をまず決めてしまうのが手っ取り早いです。
とはいえ、無理に鉄骨と木造を決めなくてもいいと僕は思います。
実際、性能にそこまで大きな差はありませんし、
- 価格
- デザイン
- 営業マン
などでハウスメーカーを決める人もたくさんいます。
なので、この記事を読んでまだハウスメーカーが決まっていないくても、全然問題ありません。
いろいろな角度から、自分たちに合ったハウスメーカーをじっくり絞ってみてくださいね。
気になるハウスメーカーのカタログは揃えましたか?
カタログはいわば教科書のようなもの。カタログを広げて、夫婦で話し合うのも住まいづくりの大切な時間です。
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